咳をしたら金色の螺子が喉から落ちた全くの平凡な螺子だ鈍らせるだけの簡単な螺子だ
それなのに左胸が騒々しい世界が毒々しい静寂の夜だけが恋しい
逃げた先で金色の螺子を拾った喉の奥に力ずくでねじ込んでみる
左胸が静まる世界が静まる静寂に還る
目次(詩集)