叫びたくなるほど寂しくなることがある。
好きな人がいなくなった? 大失敗をやらかした? 思ったとおりに進まない? いや、そんなものじゃない。そんなときはその苦しさだけでいっぱいだから、叫びたいだなんて思うはずがないさ。
それは、自分が生きているって思い出したときだ。気づいたのに逃げられない、そんなときだ。でも僕たちは死なないで逃げたくて叫びたくなる。
だから僕たちは漕ぎ出すんだ。
逃げ場所を探したくて、僕たちはどこまでも漕ぎ出すんだ。
目次(詩集)