青褪めた黒壁が咲き散るゆるりゆるりと光が咲き散る
それは置き忘れた風景なのに置いてきた風景から欠け落ちていて
光の粒が額を苛む瞳孔の奥に沈めた錨を引き上げられる
花が散るあの日と同じ花が音もなく散る
目次(詩集)