客がカートンを叩いた透き通った空間に煙が漂い始める
砕け毀れる灰に僕は空き缶を差し出す舞い上がる粉末に客の容貌が霞む
払ったはずの煙がシーツまで滲みていた残された匂いは君に抱かれた夢を誘う
もういない夢の向こうに霞む君の残り香に
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