文芸船

ブラックホール

汚れた色なんて
本当はないのだと思う
きっと
灯りが足りないだけで
影を消せないだけで
汚れた色なんて
あるはずがない

人は全て
貪欲なブラックホールを
どこかに抱えている
だから隣の光を
食べてしまう

食べられた僕たちは
薄汚れて見えて
また誰かの
光を食べたくなる

目を閉じよう
飲み込んだ光を
抱きなおしてみよう
きっと
照らしたいと囁く声が
聞こえるはずだ

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