文芸船

近況つれづれ

 函館西部地区をプチ観光してきました。休日なら簡単に行ける距離なので、逆に観光地をあまり見てはいないのです。今回は高速クルーザーによる函館港内一周とランチ。クルーザーは特に観光案内も無いぶん単純に走ってくれるのでぼんやりと眺めていられて心地よいものでした。また、「みなとの森」は上品な感じのランチで、焼きたてワッフルのデザートやカスペのムニエルが美味しかった。カスペとはエイの北海道方言で、北海道ではヒレの部分を煮付けなどで食べるのですが、カスペがムニエルになるとは驚きで、香ばしく塩胡椒と良く合うとは思いませんでした。

 100歳以上の行方不明というか戸籍の未削除関係の報道が続いています。遂に200歳も現れたとか。怠慢だとか法制度の問題だとか色々と話されていますが、この件は本来、年金の不正受給の話だったはずで、更に戸籍と年金は連動していない。いつの間にか追及の方向が全く別な中味に流れていることに気付かないのか、数字が上がるのをただ楽しんでいるのか。

 今回の議論が発散してしまうのも、世間におけるデータ管理の重要性に対する認識の低さが最大の問題だと思います。それもコンピュータの技術論に入る前の、紙だろうが電子だろうが一貫したデータ管理に対する概観的な考え方。とにかく、いつの間にか問題の本質から外れて枝葉の議論に走る報道の傾向はどうかと思うのだけれど。

 ずっと続いていた暑さが今夜は和らいでいます。先日まで夜でも蝉の声がうるさいほどでしたが、今夜はずいぶんと鈴虫の声がよく聞こえます。昼間はまだかなり暑くても、昆虫たちは着実に秋へと向かっているようです。昆虫の生態は詳しくありませんが、単純に最高気温で活動が決まるものではないのでしょう。欧米人はあまり虫の音に気付かないという話を聞きますが、わりと鈴虫の声は大きいと思います。やはり文化や興味の差なのでしょうか。

 この土日を利用して洞爺湖温泉に宿泊してきました。涼しい環境で小説を書けるかな、と思いノートパソコンも携帯したのですが、花火を観たり軽く飲んだりしているうちに寝る時間に。ほとんどパソコンは使わずに帰ってきました。旅先で小説を書けるようネットブックを買うか迷っていたのですが、もう少し買うのは控えようと思いました。

 今回はホテルで昼寝もしたのですが、家にいると何かと余計な作業をしてしまい、ゆったりと出来ない。温泉で疲れが癒えるのは、お湯のおかげも当然あるのでしょうが、とにかく日常の作業を強制的に止められて休めることもあるかもしれません。そう考えると、少なくとも私の場合はパソコンを携行しない方が温泉を有効に楽しめるかも。

 ここ数日かけて、サイト内にある三点リーダ記号を修正ました。三点リーダとは、独白や言い淀んだ際の表現で使う、点が3つ並んだ記号です。ライトノベル系の作品と日記に多用していたのですが安易に使い過ぎていることと、この記号が画面の表示で上手くいかないという話も読んだのでこの際一斉に見直しました。とくに過去の作品はかなり安易だったので文章も少し手を入れました。長くサイトをやっている間に文体もかなり変わったようで自分でも驚きです。

 昨日、函館市恵山の道の駅までドライブに行ったところ、恵山のブランド化ホッケ「バキバキ」の料理がありました。バキバキは普通の漁獲その他の扱いが違うため、鮮度が圧倒的に良いホッケです。今回食べたのはホッケの刺身で、とろけるような味。ハマチを上品にしたような味わいです。ホッケは道内でも普通は刺身にしない魚なのですが、この恵山のホッケはかなり良い感じ。脂があるのにしつこく無いのでトラウトサーモンより美味しい。手軽に家庭で食べられる刺身商品になってくれないだろうか。

 分島花音のCDアルバム「少女仕掛けのリブレット」を買いました。前作よりゴスな感じが薄らぎ、少しポップというかメルヘン寄りになった感じです。ただ、この歌手の持ち味のセロが前回よりも使い方に幅が出来ていて私としては嬉しい。この人の暗さは絶望よりも、少し乾いた寂しさの方が近いのかもしれません。私はプロデューサーのManaはちょっと苦手。北欧のメロディアスゴシックのように、不気味さより美しさを採る方が好き。

 雑誌の付録にあったUbuntu10.04を試用しています。UbuntuはOSの一種であるLinuxの中でも人気があり、操作感はWindowsに近いと言われています。今のところUSBメモリから使っているせいなのか、それともこれ自体の能力なのかエディタ(Gedit)の動きが微妙に鈍い。Linuxは軽快だと聞いていたのでちょっと微妙な気分。何にしろ、私の場合は文章書きが作業の中心を占めているのでとにかく高機能よりも軽快な作業に向く道具が欲しいのですが、なかなか上手くはいかないようです。更に、作業をして再起動したらWindowsが起動しなくなりました。色々設定し直したら復活したけれど、雑誌のお手軽記事を信じると危なっかしい。

 煙草のMarlboroが440円に値上がりするそうです。フィリップモリス社製で外国製煙草では代表的なものです。440円というと場合によっては昼食代を超える金額。流石にこれで煙草を止める人が出てくるのか、それとも次第に安い煙草へと流れるのか。私は喘息持ちなので、煙草が無くなってくれるのは有り難い。もっと分煙をきちんとしていけば煙草も守られそうな気がするのですが、分煙の援助をして守ろうとする動きがメーカーからあまり見えない辺り、煙草メーカーも何だか顧客に冷たいような気もします。

 秋田県の角館、乳頭温泉郷、田沢湖、男鹿半島を巡ってきました。いずれも印象的でしたが、とくに男鹿半島の男鹿真山伝承館のなまはげ体験は強烈な迫力でした。タクシー代がかなり高く、駅から乗合で最低でも片道1,000円は必要なのですが、かなり価値のある体験でした。前列にいた幼児は少し可哀想な気もしましたけど。また、乳頭温泉郷は江戸時代から続く著名な温泉郷で、人気の高い山奥の温泉です。私は大釜温泉に宿泊しましたが、濃厚な割に刺激の少ないお湯でゆったりできました。

 これまで何となく旅行先が山奥に偏る傾向にあります。今回男鹿半島に行ってわかったのが、私の場合は海辺に行くと無意識に仕事の何かを拾おうとしてしまい、慰労より研修的な気分になってしまうということ。海から離れて生活の出来る人間では無いのですが、仕事から離れるにはどうしても海の見えない場所でないと性格的に難しいようです。今度はどこの山奥に行こうか。

 秋田旅行で温泉の宿泊を諦めて秋田市内のビジネスホテルを確保していたのですが、今朝Web検索したところ、昨日まで無かった温泉宿の空きを発見しました。即座に予約して行動予定を一気に変更しました。キャンセルの空きを取れたようです。こういう面では宿泊施設にとってWebはかなり強力な存在だと感じます。ただし、色々と感想を書く人も増えていて評価を付けられる予約サイトも多いので、経営者は結構用心していないと大変な時代かもしれません。何にしろ、温泉宿のような接待性の強い仕事は私には出来そうもないので、そういう仕事をきっちりこなせている人は尊敬してしまいます。

 次の3連休に秋田旅行へ行く予定です。いつも旅行の下調べをしていて思うことは、本当に地方の文化を知らないものだということ。そして様々な名物を話に聞いていても、その位置関係がわかっていないということ。国内旅行もこれまでの雑多になっている知識を整理して体験することで、かなりの再発見があるように思います。とくに複数地域の交通の便や食べ物の違いから、文化的に一まとめで見ていた地域を分けて考えられるようになる感覚は貴重だと思います。スーパーや小さい商店街などでも意外な発見があったりするせいか、今のところは東京よりも地方の街に魅かれています。

 このところ、北海道としてはやけに暑くて汗まみれになる日が続いています。こうも暑いと次第に何事もやる気が低下してどうにもならない。東北旅行を考えていたのですが、それも更に南に行くことは躊躇してしまいます。最近、かなり個人的に苛立つことが続いたのですが、こんな暑さだと余計に後を引いてしまいます。

 私はWebサイトでは創作一辺倒なのですが、仕事は管理型で、創りだすよりは保守や調整的な内容が中心です。考えてみると、生徒会でも部活でも牽引役よりは監査と参謀的な役割が中心だったので、自分で思っているよりも能力に合っている面はあるように思えます。ただ、世間はとかくこの保守に対する費用、資源の割り振りが弱すぎるように思えます。もう少し基礎支えを頑張ろうかと思うのですが、色々と難しいものです。

 結婚式で偶然に15年ぶりに知人と会いました。全く違う場所で、お互いその結婚式まで関係があるとは知らずにいたのに。非常に感動しました。私にとっては正直、主役の2人よりもその再会の方が最大のイベントだったかもしれません。それにしても15年経っても互いにわかるというのは凄いものだと思います。人間の脳のパターン認識機構も不思議なものです。PCも発達しましたが、瞬時に一致するデータを検索して判定するとか機械には到底ありえない。でも何故か、奇跡とかいう宗教的な感性に押し込みたくない、それはもったいないと感じてしまいます。

 7月の連休もまた旅行に行こうかと雑誌をめくっています。私の旅行は多少癖があって、出発の際は大まかな目標だけ決めて現地で次々と計画を変えながら回って歩きます。この際、携帯アプリのGoogle Mapは鉄道の時刻が検索できるので非常に便利です。残念なのはバス時刻で、僻地ほどバスが重要になるのですが、時刻がわからないため観光を見送った場所もあります。1つの町だけでバス路線サイトを作るのは難しいでしょうが、幾つも集まってGoogleに情報提供して掲載させるとか出来ないものだろうか。

 いったん完成としたのですが、改めて温泉入浴手帳を携帯と古いブラウザ対応に改良しました。私は過去に我流の無茶なスクリプトを後任に預けざるをえなかったことがあり、後悔があります。その反省が過度に厳密に作ったり何度も書き直したりする理由の一つにあるように思います。もちろん、厳密な構成自体が好きだという嗜好の問題も当然ありますが、職場などの都合を無視できることを考えると、こういった反省はむしろ趣味にこそ生かされやすいかもしれません。

 先月からWebサイトを改造していたのですが、今日でだいたい終了しました。スクリプトの最適化とセキュリティ強化が中心なので、外見や使用感に変化は少ないと思います。携帯からの閲覧とトップページなどの読み込みは速くなったかもしれません。新しい機能を増やすわけでも無いのに、見直すたびに補修箇所が見つかってしまう。少しずつ知識が増えているせいか、元々のレベルが低いせいなのか。趣味上、規格や仕様に厳密にしている箇所もあるので、細かい補修とバランスは時間をおくと違って見える点もあります。そういう面は小説とプログラムが同じ著作物の枠にあることも納得できます。

 青森県の津軽地方にある「斜陽館」を観てきました。斜陽館は太宰治の生家で、当時の津軽地方の有力者であった津島家のお屋敷です。太宰治の作品は多くは読んでいなかったのですが、斜陽館は太宰治関係を無視しても一の価値のある豪奢な建築物でした。田舎に忽然と豪奢な建物があったという事実は強烈です。太宰治の強大な名声に隠れて、この建物自体と地域の歴史という点が逆に気付かれにくくなっているようにも思えました。

 斜陽館に行くには五所川原市から津軽鉄道に乗るのですが、この鉄道にはトレイン・アテンダントが乗っており、津軽弁で観光案内をしてくれるという面白い鉄道でした。更に切符切りも昔ながらの鋏で切る方式で、鉄道ファンが切符を欲しがるそうです。こういう工夫を見ると、道東で廃線になったふるさと銀河線は少し工夫が少なかったように感じてしまいます。

 映画「花のあと」を観賞しました。北川景子主演、藤沢周平原作の時代劇です。剣術を志す娘、以登の秘めた恋心とそれを受ける生真面目な藩士、そして御用人の陰謀が絡み合う物語です。殺陣はよくある時代劇より地味でしたが、しっかりした造りで緊張感がありました。また、桜から雪景色に至る季節の移ろいを丁寧に描いていて、その細かい季節感が時間の経過や事件の暗示と重なってかなり良い映画でした。「武士の一分」が好きな方には合う作品だと思います。主演の北川景子はこの映画で初めて見たのですが、癖のある顔立ちながらこの映画では非常に魅力的でした。

 私の喘息は咳喘息と言われるもので、単に呼吸が苦しくなるのではなく連続した強い咳が特徴です。呼吸が苦しい上にとにかく強い咳なので強烈に体力を消耗します。また、周囲から感染性の疑念を抱かれやすいという困った問題もあります。アレルギー反応は埃やダニが中心なのですが、風邪や体力の消耗が引き金になるようです。咳喘息一般に該当するかは疑問がありますが、私の場合は海に出るとかなり症状が改善します。今日も仕事で海辺を回ってきたのですが、その間は寒いのに咳が一つも出ない。海は風が冷たいから悪くないかと言われがちですが全く逆です。ネットで検索すると同様に海で改善する人がいるようなので、誰か医学者で研究してくれないだろうか。

 喘息の発作を起こしました。新しいことに取り掛かろうかと考えていた矢先、これだとあまり頭が回らない、体に無理がきかない。喘息という奴はかなり厄介なものです。最近知ったのですが、アルコールも喘息には良くないらしい。仕方ないので、過去に書いた随筆を推敲し直して新作として公表することにしました。最近書きたいと思っていた主題なので、自分の内側を見直す意味も含め必要な作業ではあったように思えます。最近はTwitterが流行ですが、私はこうやって後々に文章を何度も推敲して改良していく作り方の方が性に合っているようです。

 3月に当サイトで公開した「青いヴァカンス」は私の加入している同人誌からの転載作品なのですが、当作品の短評が北海道新聞に掲載されました。いや、嬉しいですね。この作品は実際の旅行や温泉巡りの経験が上手く功を奏したようです。

 そんなお祝い的な気分で今日、上の湯温泉郷「パシフィック温泉ホテル清龍園」の日帰り入浴に行ってきました。看板が私の好みでは無かったため、近隣にある銀婚湯にのみ行っていたのですが、案外と良い温泉でした。有名な銀婚湯の陰に隠れてしまっていますが、鄙びた系が苦手な人には清龍園の方が合うかもしれません。この清龍園なり銀婚湯なり温泉宿にゆっくり泊まりたいのですが、近隣だと微妙に踏み出せない。かと言って遠方だと1泊2日は結構時間も旅費もきつかったり。今度、漫画とPCを車に積んで著作時間と称して泊まるとか考えてみよう。

 何となく表紙に魅かれて「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦角川書店)を買いました。どこか大正浪漫を意識したような文体で現代京都を舞台に非現実混じりの京都を描くという変わった小説です。性的な象徴こそ少ないものの、植芝理一の作品のような奇妙な味わいのある作品でした。結構好き嫌いの分かれる作品かもしれません。作者は京都大学農学部出身だそうですが、小説の論理性より印象付けや流れを中心に据えた感じがするせいか、むしろ極めて文系っぽい印象の強い小説だと感じました。まあ、私も一応は同じく理系ではあるけれど。

 「時代の斜めうしろ」他幾つかのサイトで漢字変換と文章作成の話題が出ていました。私は仕事でも小説でもとにかく打ち込みつつ推敲を並行して行う書き方です。仕事もわりと厳密な文章が必要で、小説も細かい表現の差でも印象は大きく変わりがちなので、最初から固めるという形は難しい。紙寄稿の場合、ほぼ必ず2回は全部印刷して見直ししています。「神が言葉を下ろすからごちゃごちゃした修正など不要」豪語していた詩人の先輩がいましたが、私にはそういう神様は憑いていないようです。また、漢字変換は結構細かく行う癖がついています。中学時代に使っていたワープロ専用機がかなりお馬鹿変換していたせいと、大学の専攻や今の仕事で使う言葉が特殊で一発変換が難しいせいで、小説を書く際もかなり細かい変換をする癖がついています。それでもMS-IMEは誤変換が多いのは何なのだろう。やっぱりATOKにした方が良いのだろうか。

 新装版の「クロノクルセイド」(森山大輔少年画報社)を見つけました。アニメと立ち読みで好きになった作品なのですが絶版で買えず、全巻は読み通せずにいた本。新品同然のものが古本屋に4巻まであったのでまとめて買い、残りの巻はそのうち本屋でまともに買うことにしました。旧版は角川書店のワイド版でしたが、新装版は一般サイズで手頃になり、また表紙カバーは文字部分を立体化した特殊印刷で、更にカバー下は旧版のカラーカバーイラストを復刻。結構装丁など頑張っている本です。内容は王道のバトル系ですが、結構重い設定で主人公のロゼットが魅力的な漫画です。同作者の今の作品より読みやすいかも。8巻完結で、このぐらいで完結してくれる作品が私は好き。

 先日「パズルの軌跡」(機本伸司角川春樹事務所)を購入しました。この前章にあたる「神様のパズル」と比べSFや物理の風味は薄まった代わりに内面描写が多くなっており、前作よりも読みやすい作品でした。ヒロインの穂瑞沙羅華の表情というか内面が良い感じ。人間とは何なのだ、世界とは何なのだという問いについて自然科学と人文科学の出会う境界と、平凡で泥臭い現実が入り混じるのがより強く出てきた感じです。結構陰謀物の雰囲気もあり娯楽性も高く楽しい作品でした。シリーズ化されるようですが、もし大きなシリーズになったら、将来に前作よりもこの作品の方が1巻扱いされそうな気もします。

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