文芸船

近況つれづれ

 ここ数日肩こりが酷く、背中に薬を塗って出勤したところ上司に匂いで気づかれてしまいました。この鎮痛剤系の薬に含まれるメントール系の匂いは何とかならないものでしょうか。色々薬剤が開発されているのだから無臭の薬があってもよさそうな気がするのですが、匂いのする化学構造と薬効の間に何か関係でもあるのだろうか。無臭の薬が発明されたらわりと女性層に売れそうなものです。

 そういえば昔、匂いを分析する論文がありましたが、今その分野はどのぐらい進歩しているんでしょう。よく考えると、SFでもロボットが匂いをかぐ場面はほとんど出てこないような気もしますが。

 ちょっと牛乳について調べていたところ、飛鳥鍋を見つけました。奈良県明日香村の周辺に伝わる郷土料理で、牛乳を加えただし汁で鶏肉を煮る鍋料理だそうです。写真をみるとまさに鍋ですが、鶏を牛乳で煮るとなるとどうもシチューを思い浮かべてしまう。牛乳の消費を拡大したいとの話が世間にありますが、こういった料理をもっと広げれば良いのに。欧米の牛乳消費量は飲用以外の加工品と調理原料が多いのだし。そうすれば私も飛鳥鍋を食べる機会が出てくる、というのは身勝手な都合かな。

 このところ食品の衛生事故や事件が多発しています。奇妙な点は物理化学的な事故も微生物な事故もろくな区別なしに議論が進んでしまうこと。微生物的な事故の場合、緩い試験を行えば「何かの菌が多い」という検出が出来るのですが、化学試験の場合、猿に毒見させるなどの方法でもない限り、対象となる毒物を決めずに「何か毒があるか」という試験は困難なので対策方法が大きく違ってしまいます。それなのに、検査体制の云々といった場合分けも何もない報道もみられます。

 食品科学の分野は身近な分野のわりに本当に理解が得られていません。胡散臭いダイエットと健康番組ばかりではなく、衛生啓発をもう少し面白く報道してもらえないものだろうか。そのうち、簡単な食品衛生のページでも作ろうかな。

 3日ほど遠出をしていました。かなりの長時間を列車の中で過ごしていたせいか、今日は変な時間に目が覚めたり逆に眠くなったりで散々でした。私は飛行機の甲高い音が嫌いなので乗物は船、列車の順に好きなのですが、隣の席に人がいると体がつらくなってきます。乗継時間が短いため、飲食も社内販売頼りになってしまうのもかなり憂鬱な感じ。駅弁販売の人に割り箸を入れ忘れられたのも結構がっかりでした。ただ、列車だったおかげで次第に南下、北上に合わせて窓の凍り方から気温の変化を感じられたのは面白い体験でした。

 サイトのアドレスを変更しました。今までhttp://bungeisen.main.jp/main/....としていたのですが、「main/」を削除してhttp://bungeisen.main.jp/....の形にしました。スクリプトの関係でやむなくつけていたのですが、新しい方法を覚えて不要になったためです。それにしても「覚えた、出来た、改善する」という流れは、一時期あったRPGの「レベルが上がった! あたらしい呪文を覚えた!」みたいで何だか自分でも気恥しい。この辺りもIT系の作業が魔法に喩えられやすい理由の一つでしょうか。

先日「流氷にのりました へなちょこ探検隊2」(銀色夏生幻冬舎)を買いました。網走と世界遺産・ウトロの旅行記なのですが、著者のいつもの少し淋しげな写真に加え、コミカルな部分もあって意外な感じです。著者が騒々しさを嫌う様子が見えたのは普段の詩から納得。

 百度という中国の検索サイトが日本に進出しました。この社名の語源は宋代の詩人、辛棄疾の「人込みの中を幾度となく探し回った。ふと振り返ると、あの人はいた 消え入りそうな灯火のそばに」という内容の詩「衆里尋他千百度」から採ったそうです。白文の原詩を読んだ感じでは、恋人をお祭りの喧騒の中で探す詩の様子。Googleが10の100乗の意味だとか、Yahooの開発者が、自分をならず者だと洒落たのだとかいう由来と比べて何だかロマンチックです。

 まだサイトの裏側を色々といじっていました。おかげでDoCoMoからはかなりきちんと表示できるようになりました。他のキャリアは実機で試していないので上手くいっているか疑わしいけれど、理屈上は今までより見やすくなったはず。これをケータイ小説進出、と言ったらやはり間違いでしょうか。

 ところで最近、知人のテレビが壊れて渋々修理をしていました。実家の両親もリモコンの受信部分が壊れたと言ってテレビのスイッチで切り替えて使っています。地上波のおかげでむしろ買い控えが出ているよう。次世代DVDやWindows Vistaの印象の悪さでなおさら次世代へ何かを切り替えることにみんな慎重になっているのかもしれません。とりあえず2012年頃まで色々な規格が滞留するような気がしますが、仕事にしている人は大変だ。

 直木賞を桜庭一樹氏受賞とのことで驚きました。元々はライトノベル作家で現在も主な発表はライトノベルの作家です。私も昨年「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」(富士見書房)を読んで読書散策路に感想を書いていたのですが、まさか受賞とは。ライトノベル以外の方向に行きそうな筆頭だと思ったのですが、ここまですぐだと本当に驚いてしまいます。それにしてもこの人の文庫、何冊か売ってしまったのは完全に失敗だった。

 この連休のほとんどをサイトの改造に費やしてしまいました。見た目の関係は先月から色々試行錯誤をしていたのですが、とりあえず確定の形にできたように思います。今回はメイリオという、Vistaから導入されたフォントを指定してみました。閲覧側にこのフォントが入っているとメイリオで表示されます。画面上で閲覧しやすいのが売りだそうで、何となく丸っこい字体が気に入りました。また、リンク集を文芸船紹介に併合したり詩のメニューを併合するなどしてみました。その過程でやむをえずRSSURIから拡張子部分を削除しました。本当はあまり変えない方が良いのですが、よほど最初からきちんと設計していないと難しい。

 話題は変わりますが、先ほど「超文系サイト-テキスポ」という開発中のサイトを発見しました。小説バトルなどもあるので面白そう。でもこっちのサイトとの使い分けはどうしよう。

 今日は鏡開きの日ということで、職場でお雑煮が話題になりました。やはり各家庭によってかなり味の差があるようで色々と好みの差もあったり。でもお雑煮は家庭の正月料理としては定番ですが、外食やコンビニではほとんど見かけません。独身で一人分のお雑煮を作るのはどうもうまくできないことを考えれば、お雑煮を店で出してくれても良さそうなものですが、この味のこだわりなどが邪魔しているのでしょうか。高齢化で誤飲事故での製造者責任が怖いから、という理由なら悲しい気がするけれど。

 数年ぶりに年末年始を長期で休めたので、これを機会に下記の本を読みました。

ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶大崎善生新潮社
ふとしたきっかけで浮かび上がる心の古傷とうずき。それを受け入れようとする人々の短編集。少し風変りな人々と洒落た空気が読みやすい。
満月物語薄井ゆうじ角川春樹事務所
20年近く会っていない祖父に呼ばれると、養女は竹から生まれたかぐや姫で月に帰らなければならないという。聞いたことのない方言、偏屈な祖父とばたついた流れの中で幻想的なラストに至る。販売者は幻想的な恋愛小説と言っていますが、むしろ二百回忌などに近い作風。
傀儡后牧野修早川書房
近未来。五感を世界と融合する麻薬や全身がゼリー化する奇病を巡る謎と、異能の服飾デザイナーを中心とした様々な人間が世界の崩壊に巻き込まれていくSFホラー作品。前半の話のつながりがわかりにくく暴力的なわりに、後半はSF物としては既視感のある流れに収束していくので微妙かも。ハーラン・エリスン辺りが好きなら良いかもしれない。

 今まで手を伸ばさなかった作家を読んでみたのですが、今回は大金脈に当たらなかった気分。ただ最近、桜庭一樹の作品にかなり魅かれているのでこれから読んでいこうかと思っています。まだ自分の所属している同人の感想すらまとめていないのだけれど。

 明日から帰省をするため大掃除をしました。私の部屋は狭いし持ち物も少ないので大した時間はかからないなずなのですが、畳の拭き掃除までしたものだから結局は3時間もかかってしまいました。大掃除は面倒ですが、こういう機会がないと掃除も雑になりやすい上に普段は大して掃除のしない場所に埃が溜まってしまうので、案外良い風習だと思います。ただ、パソコンやオーディオなどは掃除中の置き場所に困ってしまう。オーディオマニアの部屋は案外埃やダニが多そうで、オーディオに興味のある私でも喘息持ちなので遠慮したい。

 独り飲みはあまり良い酒にならないのと、寝酒の癖をつけたくなくて家では飲まないようにしているのですが、今日は個人的に良いことがあった上に外ではしゃぐような話でもないので数年ぶりに自宅用にお酒を買いました。買ったのはカフェ・ド・パリ(Café de Paris)・ピーチで、キリンが輸入している桃のスパークリングワイン。200mlの小瓶でスパークリングという、非常に扱いやすいお酒でありながら、酎ハイ系のような薄い酒ではなく高級感もあって楽しいお酒です。今日の私のように、あまりはしゃぎ過ぎないように小瓶で、というには良いものです。

 せっかくの休みを有意義に、ということでこの連休に年賀状を書きました。枚数は少ないのですが、表書きは手書きにしているので時間がそれなりにかかります。一般には全て印刷で行うようになっていますが、それならもう葉書という媒体ではなくネット上のデータで十分ではないかと。その点、手書きはどうしてもその人の感情だの特徴が文字から出る気がして手書きにこだわっています。

 他にも私は万年筆の書き文字が好きだというのもあります。ボールペンと違い、毛筆のような味が出るのが楽しい一方、毛筆を準備する煩わしさがない点が良いように思います。私こそ、一時期つけペンで手紙を書いたりしていた時期もあるのでちょっと特殊なのかもしれませんが。一度ガラスペンを使ってみたいものです。

 私はお年玉をあげる相手が非常に少ないので、毎年ぽち袋が余ってしまいます。何となく1年間は保存しているのですが、結局は使う機会のなく12月まで持ち越すことに。使う相手が増えてもらってもこちらが苦しいので困るのですが、それにしても余ったぽち袋、みんなどうしているんでしょう。イラストだとかそれなりに凝っているので、すぐ捨てるのはどうしてもためらってしまうのですが。イラストの流行もあるので、翌年に前年のものを使うのは気分的に憚られるし。

 年末が迫っているせいで飲み会が連続してしまいました。お酒自体は好きなのですが、飲み会は連続すると本来お楽しみ目的のものが何だか仕事化してしまってもったいない気がします。会と名が付くと盛り上がらせようと気を使ったりする場面も出てきてしまいますし。最近は二日酔いでの飲酒運転に対してすら非常に厳しくなっていますが、この辺り代行運転やタクシー業界には飲酒量の減少による徒歩帰宅の影響と、飲酒運転を避けるための乗車者とどちらの影響が大きいのでしょう。新聞であまり出ないところを見ると産業的にはやはりマイナスなような気もしますが。

 iTMS陰陽座の「黒衣の天女」と「揺籠の木」を買いました。陰陽座は和風メタルロックというコンセプトで、主題に源義経や忍者物を扱うバンドなのですが、曲は意外なほどしっかりしています。男女のツインボーカルという珍しい形態を採っており、中でも女性ボーカル・黒猫の声は非常に奇麗で、揺籠の木はNHKの「みんなの歌」で放送されても違和感のない構成。黒衣の天女はかつてのアン・ルイスっぽい。かつてのX JAPANに近いものも感じますが、彼らのような破滅性は感じさせず、とくに黒猫のブログ「黒猫のねこまんま通信」はかわいい印象で不思議な感じもします。

 そういえば眞鍋かをりのブログ以来、有名人のブログは何だか日常的な内容になってきていますが、逆に一般人のブログにキワモノやアフィリエイト系の販促系が増えているのは変な現象かも。私の場合は紹介記事を書くようになってからAmazon等の販売サイトへはなるべくリンクしないようにするという、さらに逆方向へ走っていますけれど。

 先日、iTMSポケットビスケッツの「Yellow Yellow Happy」を買いました。出た当時はCDを買うまでもないかと思っていた曲だったのですが、150円なので遊びで買ってしまいました。この手軽さと、古い新しいの区別なく一覧で表示される仕組みは案外、古い作品に優しい仕組みのように思えます。ただ、それでも演歌は世代その他で漏れてしまう様子。紅白歌合戦はネット販売実績など考慮されてはいないのだろうな。

 最近「自分探し」という言葉を聞かなくなったので検索したところ、スローライフやLOHASに組み込まれているようで。まあ漠然と自分探しをやるなんていうのは地図無しの宝探しに近いものなので方向性があった方が手軽だという理由も見えるような気がします。私は環境配慮については賛成派ですが、スローライフ関係の思想には現代の膨張した人口を支える食糧生産機構や流通構造などをすっ飛ばしている感があって苦手です。最も嫌なのはこういう思想と性別が結び付けられて考えられていること。嵌まっている人は真面目でも、後ろで札束を数えている人の姿が見えてしまって何だかもの悲しい。

 「そばかすのフィギュア」(菅浩江早川書房)がなかなか面白い。SF短編集ですが、ホラー性や恋愛要素も上手く取り入れられた体温の感じられる作風で、安房直子などのメルヘン的な雰囲気も見られます。中でも魅かれたのは「お夏 清十郎」。この短編は江戸時代と近未来の時間旅行を交えた作品なのですが、凛とした和の描写とSFの絡み合う妙が面白い。SFを読み慣れない人にもお勧めの作品です。

 師走というだけあって何となくせわしない月です。本棚を片づけていたら、日本水産学会の支部総会の返信をすっかり忘れていたことに気付いて焦りました。水産学会は運営費節減のため学会誌の完全電子化を検討中だそうです。きちんとした雑誌が届くというのは気分的に嬉しい上、手元に本の形で届くと一応は目を通しておこうという気分になるのですが、電子ジャーナルだと忘れてしまいそうで不安。研究職なら仕事なので読むのでしょうが、研究から離れた身で学会誌を少しでも読み続けるのは結構気力が必要だと感じます。

 話題は変わりますが、最近CDで「The Open door(EVANESCENCE」を買いました。女性ボーカルのAmy Leeを中心とした米国のロックバンドで、声の美しさとロックの重厚さがたまらない。でもiTMSではほとんど曲を置いていないのでCD購入になるのですが、よく考えてみると私は好きな歌手の曲の多くをCDで購入しています。やはり電子データのみというのは何となく寂しいかもしれない。

 先日、インターネットへの接続をPHSの@FreedからFOMAの定額制に変更したのですが、なんとFTP接続が出来ない仕様。非常にサイトの更新に手間がかかってしまいます。まさか今どきこんな仕様になっているとは予想もしていなかったためかなりのがっかり感。私は携帯をDoCoMoしか使ったことがないのですが、今後どうするか考えてしまう。

 ところで音楽携帯が最近普及してきていますが、使っている人は電池切れが心配ではないのでしょうか。それとも充電がすぐできる環境にいるのか。私がiPodを使う場合は長時間外出する時が大半なので携帯で代替するのはさすがに怖い。ただ、よく考えてみると都会はコンビニエンスストアで携帯電話の充電が出来たりするので、田舎と都会で比較すると、こんな点でも感覚の差が意外に存在するのかもしれません。

 この連休、久々にしっかりと休みました。出歩きもなるべく減らして喘息からの回復に努めたり。逆に肥満には悪影響な気もしますがこの際は気にしないことに。どうも一進一退なのでつらいわけ。

 喘息の期間に入ると煙草の煙や炭酸飲料の刺激が非常につらく、生活習慣が変わってしまいます。とくに飲み会ではビールお断り状態で、なるべくお湯割りのような穏やかなお酒が中心になります。ただ、焼酎のお湯割り以外で温かいお酒と言えば燗酒以外は少ないようです。ホット・バタード・ラムというカクテルはラムとバター、シナモン、バニラビーンズを合わせたお湯割りで甘みもあって飲み易いのですが、大体はカクテルバーにしか置いていない。ボジョレ・ヌーヴォーも良いですがホットワインとか、気候にあった季節ものも置いてはもらえないものでしょうか。やっぱり酎ハイのような炭酸系以外も、ねえ。

 冬が遂に始まりました。ということで持病の喘息がつらくここ1ヶ月近く更新をさぼりました。実際、ここ2週間は職場から帰ると夕食を済まして布団に転がるような生活をしていました。胸が重苦しいため、パソコンの前に座るのも億劫になって携帯のみでWebをチェックするような感じ。そうすると自然と携帯向けニュースサイト中心になるので結構つまらない。意外に使えたのは2ちゃんねるで、携帯向けに変換しているサイトが幾つかある上、文字情報なので不便も感じませんでした。それにしても食欲はあまり落ちない、というより咳で体力を使うせいか食欲はあるので体重が心配だ。

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